Pocket

美白を宣伝する化粧品、医薬部外品について、単純な事実をお話します。

この季節になると、あまり騒がれませんが、案外「夏の疲れをとりたい」といった感覚で美白化粧品を求める方もいらっしゃいます。また当社に寄せられるご相談では、「ニキビ跡やしみ改善の目的で美白化粧品を使ったのですが(消えませんでした)」という内容も多くあります。

美白化粧品といえば、ビタミンCやアルブチン、最近ではトラネキサム酸、過去にはコウジ酸などの成分による効果を宣伝する傾向がありました。

これらの成分は黒化した色素を還元する、チロシナーゼ活性阻害など様々な有効性があるということです。

ではこれらを配合した化粧品で、シミが取れたり、ということが起きるでしょうか?

まず化粧品の機能について、良く理解しなければなりません。

肌への化粧品の役割とは、皮膚の「清潔、保湿、保護」の3項目です。それと魅力的に見せる、です。

そして優れた化粧品とは、これらを安全に、高い次元で実現できることです。

これだけです。

そしてこれら3項目は皮膚の表面、角質層に行うものです。

シミやくすみなど、色素細胞(メラノサイト)の活性化による肌トラブルは、角質層の下層である有棘層(ゆうきょくそう)での皮膚の防御活動ですから、角質層に使用する化粧品で、このような下層に、しかも「成分の作用を効かせる」ということはありえません。

つまり、化粧品の成分の作用でシミが消えたり、肌がきれいになるということはありません。

以前「ナントカC」というビタミンCを多く配合した美容液が流行したことがあります。

添えつけられたカードにはビタミンCの効果・効能について非常に「効きそうな感じで」書かれていました。

ビタミンCはシミに効く、ビタミンCはコラーゲンを増やす・・・・と、こんな感じです。

これら自体は「成分そのもの」の特性の説明としては、別に嘘ではありません。

ですが、先にお話したように、化粧品が表皮有棘層や、真皮層まで浸透して、成分が効くわけではありません(そんな製品を作ってはいけないわけです)。

そして、その美容液の「箱」には、「角質層の隅々まで浸透」と、小さく書かれていました。

角質層は皮膚の表面で、ここには色素もコラーゲンも存在しません。

つまり、商品自体の説明は「角質層に浸透」で、配合成分の説明は「シミに効く(成分が入ってる)」、「コラーゲンを増やす(成分が入っている)」です。

これではイベリコ豚の解説を散々聞かされて、親子丼を食べさせられるようなものです(少し違うかも)。

これがまかり通っているのが化粧品業界だからこそ「中身は水でいい。売るのは”夢”」といった放言も平気で出てくるわけです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です