月: 2013年10月

一神教vs多神教 岸田秀 (3/3)

-自我は個である必要はないんですね? ●自我そのものが他者との同一視で出来ていますから、もともと個ではないんです。自我は元々他者を含んでいるのです。 ●本人が正しいと思っている自我のあり方とは、自我が正当に敬意を払われているということです。したがって、迫害され、差別されているという状態は、単に被害を受けている、苦しめられている、損をしているということではなくて、正義が失われている状態です。自我はこの状態に耐えれられません。ここが重要な点です。迫害され、差別されている状態から脱出しようとする企ては、単に、受けた被害、苦しみ、損失の保証を得ようとするのではなくて、失われた正義を回復したい要求として…
terakaz
10年前

一神教vs多神教 岸田秀 (2/3)

●一神教が人類の癌だという意味は、一神教の唯一絶対神を後ろ盾にして強い自我が形成され、その強い自我が人類に最大の災厄をもたらしているということです。結局、自我というのは病気で、自我の強さはその病気の進行度のようなものだけど、その場合の最大の難問は、自我の強い奴と、弱い奴が対決すると、必ず自我の強い奴が勝ってしまうということなんですよ、つまり、人類は、重い病気の連中のほうが勝つという絶対矛盾状況に置かれているということなんです。 ●一神教というのは世界を一元的に見る見方であると考えています。つまり世界観です。 ●ヨーロッパの世界征服の道具に使われたキリスト教は、「神は死んだ」とか言われて、神の存…
terakaz
10年前