「ニキビを治す」と考えてうまくいかない
人間の身体は皮膚に覆われ、皮膚の最も表面を角質層といいます。
この角質層はわずか0.02mmの極めて薄いものです。
皮膚の役割は、人体の防御機能であり、そのために表面に角質層を形成します。
この角質層が正常に形成・維持され、正常に機能すればニキビに悩む必要はありません。
ニキビは人口の約9割が経験しますが、ほとんどの場合早期にきれいに解消され、深刻に悩むほど繰り返されることはありません。
多くのケースではいわゆる「ニキビに悪い」といわれる生活をしていても、症状の発症に関しては、さほど問題ないのは、角質層が正常に形成・維持できるからです。言い換えれば「丈夫で頑丈な肌」であれば、肌トラブルが慢性化・長期化したり、悪化するようなことはありません。
しかし、この角質層の形成が生来的にうまくいかず、普通ならちょっとしたトラブルですむような場合でも、長期的にトラブルが続いてしまう・きれいに解消しないという「敏感な肌」では、同じようにはいきません。
また、敏感な肌の場合では、いわゆるニキビケアやニキビ治療を行うことで、かえってトラブルを長期化、悪化されるケースもあります。
ニキビ用スキンケアと宣伝される商品では、角質層の破壊を伴うものが多く存在しますから、ニキビを繰り返すだけでなく、ニキビ跡の増悪、赤ら顔、かゆみや痛みを伴うニキビへ発展する可能性もあります。
といって、「敏感肌用」といわれる化粧品を使用することで、皮膚の乾燥を悪化させ、「肌に優しい」といわれる商品を使用しながらも、結果として正常に角質層を形成できないままトラブルを長引かせるケースもあります。
いずれの場合も、商品の機能・作用によって、「きれいになる」と誤解を招く宣伝によるものですが、薬事法からも、そして皮膚の仕組みからも、これらで問題解決を達成することは、初めから目的ではありませんから結果的に問題解決には至りません。
正常に角質層を形成・維持し、角質層の役割が正常に機能していることが問題解決の鍵ですが、それには商品性の「前に」、「目的と達成のための方法論」を吟味する必要があります。
目的を「治す」としてしまうことで、繰り返しの発症や、跡に悩まされては「思っていたのと違う」ということになります。
見た目にきれいで、健康な肌になるには、目的達成のためのスキンケアを行うことです。