いわゆるニキビ用化粧品について1
前回、ニキビ用化粧品には、脱脂力の強いさっぱりしたテクスチャーのものと、そうでないタイプがあるとお話しました。
そして今回は脱脂力の強い、さっぱりしたタイプのものについてのお話です。
このタイプのニキビ用化粧品は、いわば普通のニキビ用化粧品ですね。
まず、お肌でニキビが作られるのは毛穴です。
毛穴にはいくつかの種類がありますが、ニキビは主に脂腺性毛包という毛穴で形成されます。
簡単に言えば「皮脂腺(脂を出す部分です)が発達していて、産毛などの細い毛は生えている毛穴」です。
ニキビの形成は、まず
この毛穴がふさがる(皮脂の出口が無くなる)
皮脂分泌量が増加する(毛穴から出れない皮脂がたまる)
にきび菌の増殖(にきび菌は空気が嫌いで皮脂が好き)
という条件が重なり、形成され、炎症が起きることで「ニキビ」となります。
一般的ニキビ用化粧品は、それぞれ、これらの形成条件に対処するようできていることが多くあります。
毛穴がふさがることは、毛穴の角質層が肥厚・剥離し、起こりますが、この状態をはがす、溶かすなどのために、角質除去やピーリング作用のある成分を配合した洗顔や化粧水などを配合した製品。
基本的に角質層を除去しますから、手触りも「つる」っとしか感触を得ることができます。
皮脂分泌の増加に関しては、これを化粧品でストップすることは不可能ですが、「出たものを取る」ことはできますから、脱脂力の強い洗顔料、化粧水などを使用します。また保湿用などをいう商品もさっぱりした感触のものを使用します。
またにきび菌を殺菌するなども宣伝する商品もありますが、薬事法上の問題もありますから、さほどの作用もありませんし、それで菌が死滅しいなくなることもありません。
ひとまず、ニキビ用化粧品でこれらを行うことはできるので、「じゃあこれで治るはず」と思えてきませんか?
思えるはずです。そして、実際「売れている売れている」と宣伝するように多くの方が、このような製品を使用していることと思われます。
で、治るのかと言えば、「治る・治らない」を述べる立場にはありませんが、ひとまず「症状への対応」という目的に対しては、筋の通った方法論ということは言えると思うのです。
「形成されたニキビ」「形成されかかったニキビ」に対しては、効果的なアプローチではあると思います。
しかし、問題点もあります。
これらの方法は、あくまで「対症療法的」なアプローチはできますが、「ニキビができ続ける」というケースに対しての解決を目的とはしていないと言うことです。
「予防」と言う言葉は使っていても、実際には「早期にニキビを破壊する」「ニキビができそうな部分を皮膚ごと破壊する」という方法論だからです。
健康でキレイな状態のお肌は、このようなことをしなくても、ニキビはそうそうできませんし、たとえば「ケーキを食べ過ぎた」などの後にできるとしても、特にこのようなことをしなくても、悪化せず自然と早くキレイに治るものです。
さらに、ニキビ用化粧品の使用はニキビの破壊のために、皮膚表面を破壊します。
このような方法を長期的に行うと、同時に正常な皮膚表面が形成されない状態も続く結果になります。
正常な皮膚表面が正常に形成されずにいると、「特にニキビへの対処をしなくても、悪化せず自然と早くキレイに治る正常な肌」になることはできません。
つまり、目的を「正常な肌に回復する・きれいにする」と考えるのか、
それとも「にきびをつぶし続けることで、にきびを予防する」と考えるのか、
最初の目的をどのように設定するかによって、方法も結果も変わってくるのです。