乾燥肌”だから”にきびができ続ける
「乾燥肌なのにニキビが・・・」というご相談がよく来る季節です。
が、これは「ニキビはオイリー肌の悩みのはず」という思い込みから来ます。
たとえば、「テカテカのおじさん」がいらっしゃいます。
でも「テカテカのおじさん」がニキビに悩んでいるかといえば、そんなことはありません。むしろつやつやとしたお肌でいらっしゃることが多いんではないかと思います。
皮脂の分泌が盛んだからと言って、それが即ニキビの原因とはいえません。
皮脂が皮膚表面に排出され、正常な皮脂膜を形成していれば、むしろお肌を保護する重要な役割となります。(先日のお話のとおりです。)
そして、乾燥肌と(本人が)感じる肌状態であっても、ニキビの形成条件が重なればニキビは作られますし、その状態が続けば、ニキビは作られ続けることになります。
このようにトラブルが慢性化する肌では、正常な状態が作られていません。
正常な角質層では、表面を弱酸性の皮脂膜が覆い、角質細胞のスキマを細胞間脂質が埋め、NMFが水分を抱えています。
このような構造が作られていれば、にきびの条件も重なりませんし、もしニキビができてもスグにきれいに治ります。
ですが、このような構造を作れない肌では、にきびの条件も重なりやすくなりますし、一度にきびができ始めると、悪化しやすく、慢性化しやすくなっていきます。
皮脂膜、細胞間脂質、NMFのうち、一つでも欠乏すれば皮膚は乾燥を起こします。
そして、そのようなお肌はトラブルをおこしやすい状態です。
多くはもともとの肌質、そしてさらにスキンケアの間違いや過剰な治療により、その乾燥状態は悪化します。
にきびを解消するには、まずこのような肌質の問題を解決することが優先です。肌を正常にしていくようにコントロールすることが重要になります。
とはいえ肌質自体は「治す・治さない」の問題ではありません。
たとえば「太りやすい体質」の人が、太りやすい体質を「治そう」としても、そうはいきません。
食事と運動で、摂取カロリーと消費カロリーをコントロールしていくことが、解決の方法です。
同じように、肌を正常にしておくコントロール方法はスキンケアということになります。
とはいえ、多くの方は「化粧品を使うこと」や「美容治療すること」、最近では「プチ整形」までもが「スキンケア」といいます。
わたしがいうスキンケアは肌表面の清潔、保湿、保護の3項目です。
これらを「目的の為に」正しく行うことで、肌は正常に役割を果たせるようになり、
結果トラブルに悩まされなくなるのです。