いわゆるニキビ用化粧品について1.2
引き続きニキビ用化粧品についてです。
敏感肌用とされるものを説明する前に多く見られるようになった「大人ニキビ用」と宣伝される化粧品についてです。
大人ニキビ用化粧品は、大きく2つの方向が見られ、美容皮膚科などで販売されるドクターコスメの系統。
また一方は、今後お話しする敏感肌用と言われるジャンルにかかわるニキビ用化粧品です。
まずドクターコスメなどの宣伝文がある化粧品は、主にビタミンCを添加した化粧品が多くあります。「何%配合」などのビタミンCの配合率、濃度(水・油溶性)を製品の特性にし、「配合率が高いと効く・浸透すれば効く」といった宣伝が見受けられます。
まずビタミンCはニキビに関していえば、皮脂分泌の抑制、ニキビ跡の色素沈着、コラーゲンの生成と、ニキビ、ニキビ跡にかかわる悩みに対して有効かつ重要な働きがあります。
またイオン導入といった刺激の緩和な方法を行うことで、成分による成果を「ある程度」得ることはできます。もちろん薬事法に基づいた範囲内とお考えください。
ただし、どのような成分であってもニキビの形成条件である
毛穴がふさがれる、皮脂の過剰な分泌、ニキビ菌が増える
に関しては配合成分による症状への作用を期待しても、なかなか解消されないことが多くあります。
なぜか?の前に、まず基本的な知識に基づいて考えていきましょう。
まず皮膚自体は、化粧品成分による作用に反応する以上に、皮膚の本来の役割・機能を優先的に行います。
皮膚は体の外の環境に対して、体内を安定ことが本来的な役割です。
たとえば空気の湿度や温度の変化、紫外線、細菌や汚れ、異物の付着などの影響から、体内の恒常性維持をすることが、本来の役割の本質です。
たとえば毛穴が塞がれるのは、皮膚表面の角質層の形成に問題があります。
(※多くのピーリング系の製品や、先日お話したニキビ用化粧品は、「コレをはがせばよい」という考え-ある意味でニキビをつぶすのと同じ要領ですね。)
そして、角質層の形成に対処する「よい成分」があるとします。
そしてそれを塗布するだけで、角質層は正常に形成されるかというと、なかなかうまくいきません。
なぜなら上記の環境の変化などの刺激があれば、皮膚が「必要な役割・機能」を果たすからです。
例で言えば、シミです。
「シミにはビタミンCが有効だ」ということはよく言われます。
そしてビタミンCを配合した化粧水や美容液、クリームなど塗る。
しかし、その後皮膚を乾燥させる、摩擦が加わる、紫外線を浴びるなどの外的な刺激があれば、皮膚はどうなるでしょうか?
皮膚は当然それらの刺激に対する反応を起こさざるを得ません。
メラニン色素は生成され、酸化し、黒化します。
その結果「ビタミンC配合の化粧品を塗ってもよくならない」となります。
が、これはビタミンC云々の問題では無いですよね。
ですから、そのような成分に期待するにせよ、まずはこのような反応を「しなくてもよい」という状態を形成・維持することが優先されるのです。
そうすることで初めて有効成分も「有効足りえる」条件がそろうわけですが、この点について、化粧品販売業者はお構いなしで「成分についての宣伝」をします。
また、そのような宣伝を「知識」ととらえて読み続けると、どうしても「皮膚の問題」に意識が向きませんよね。
上手くいかない場合、どうしても「何の成分が効くのか?」と考えてしまう。
肌トラブルを解消するにはまず、お肌を「トラブルを起こす必要がない状態に維持しておく」ということを優先にすることがかかせません。
その上でのプラスアルファとして、これらの方法を行うべきなのです。
また、多くの場合「トラブルを起こす必要がない状態に維持しておく=角質層の正常な形成・維持」さえできていれば、ニキビに強い健康な肌の人と同じです。
そのため、これらの特殊な化粧品類を使用することなく、キレイに解消されることがほとんどです。
まずは、お肌をどうしておくか?という優先順位を意識していきましょう。
そのためにもあなた自身が「お肌がどうなればいいのか?」をよく意識することが重要になります。