フォトフェイシャルでニキビが治らなかった
過去、美容業界ではエステが流行し、その流れは今は美容業も兼業する皮膚科、美容治療が流行しています。
私もご相談にお答えする立場上、いろんなホームページなどを見ますが、アメリカから治療機器を輸入販売する業者さんの言うことを、真に受けている医師も多いのかもしれません。以前はレーザー、ピーリングについてのお悩みが多くありましたが、最近はニキビについてのご相談、ご質問の中に
- 「フォトフェイシャルをしたが、一時的にしか良くならない」
- 「美容皮膚科でフォトフェイシャルをしても、その時だけしか良くならない」
- 「フォトフェイシャルで効果が無かった」
といった内容が増えてきました。
フォトフェイシャルはニキビに効果が無いのか?
フォトフェイシャルの自体の是非は、考えても仕方の無いことです。それよりも、「抱えている悩み、肌の問題」に「フォトフェイシャル」という方法が、ミスマッチしていないか?が重要になります。
まず、ニキビのお悩みと解消法にも2つの結果があります。
ひとつは「今あるニキビ」の解消。つまり、「このニキビのツブさえ消せれば、それでOK」というケース。そしてもうひとつは「慢性的なニキビが、できなくなる」です。前者であればフォトフェイシャルをはじめ、レーザーやピーリング、ディフェリンの塗布など、様々な治療法があり、多くはそれらをしばらく行ったり、行わなくても解決するケースがほとんどです。
フォトフェイシャルの宣伝で目にするニキビ菌を殺菌する、毛細血管をつぶして赤みを目立たせないなど、いずれの場合も「今あるニキビの解消」が主たる目的であることに変わりはないようです。
ニキビの問題解決
ただニキビ菌Pアクネスは、皮膚常在菌であり、絶滅させると言うわけにもいきません。減らしてもスグに増えます。というよりも皮膚常在菌ですから、ヒフ表面のバランスのためにも一定数皮膚に存在しないと、マイナスになることのほうが多いのです。(ニキビ菌が問題になるのは、あくまでもニキビ-メンポウが形成された部分に限るのです。他では有用な菌です。)
皮脂分泌量増加、毛孔の閉塞などのニキビ形成の条件はニキビ菌増殖の好条件ですから、そろえばたちまち増加し、ニキビは再びでき続けることになります。
一時的なニキビの解消であれば、それなりの効果を得れるのかもしれませんが、「慢性的なニキビ」「ニキビができ続ける」「ニキビ跡が残る」など、単にニキビの問題ではなく、トラブルが悪化しやすい肌状態の場合では、効果を得れないだけでなくマイナスの結果になることも珍しくはありません。
ニキビ治療では「ニキビの条件がそろい続ける肌」を正常に回復し、維持できないのです。この状態を、多くの方は「治らない」と表現しますが、治らないのではなく、肌を正常に回復・維持できないのです。
フォトフェイシャルで治らないニキビの解消法
いずれにせよあなたのお悩みが、単に「できてしまったニキビ」なら、それを「治す」ことで解決するかもしれません。
しかし、あなたが抱えているニキビの問題が「慢性的にニキビができ続ける」「ニキビ跡が残る」「ニキビ以外のトラブルも併発している」などの状態の場合では、問題は「できたニキビ」ではありません。このケースでは「どんな方法ならニキビが治るか?」と考えても「ニキビができ続ける肌」という根本的な問題は解決できないのです。
これらの解決には「ニキビができなくなる、跡がキレイになる」といったことが必要で、これには「正常な角質層の形成と維持」以外に問題の解決はありません。
逆に言えば、これを解決できれば、トラブルの「慢性化」といった根本的な問題や、ニキビ跡、毛穴、皮脂分泌過剰など併発する肌トラブルも一緒に解消し「健康で見た目にもキレイ」な状態へと変化することができます。