読書

千年、働いてきました ―老舗企業大国ニッポン 野村進

P19) 世界最古の会社はどこにあるのだろうか? なんとなくヨーロッパの何処かの国、例えばイギリスやドイツを思い浮かべがちなのだが、実はここ日本にある。 その会社、いつから現在まで続いているのか? 江戸時代?安土桃山時代?それとも鎌倉?まさか平安時代? いや、もっとずっとずっと前・・・・。 答えは西暦五七八年、時代で言えば、なんと飛鳥時代から続いているのである。 大阪の「金剛組」と言う建築会社で、飛鳥時代から寺や神社を建てつづけてきた。西暦五九三年、難波に四天王寺を完成させたのが、そもそもの仕事始めだったとか。 僕は世界史の年表を引っ張りだしてみて、思わずのけぞった。だって、あの預言者ムハンマ…
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11年前

悪童の伝説 ~滝平二郎

「悪童の伝説」~滝平二郎 すもうは男どうしの力くらべだ。 土俵という区切られた制限があるから、 いっとき逃げ出しておいて、 いざ、勝負となると、 いつもは静かで引っ込み思案であった子が、 以外な強みを発揮したり、 日ごろ口達者で肩で風をきっていた子が、 ころりと負けて舌を出したりする。 小さい子を相手に、 三度に一度は負けてやって サービスにつとめるのが、 尊敬される餓鬼大将であった。…
terakaz
11年前

自由だけではなぜいけないのか ~経済学を考えなおす~ 荒井一博

自由だけではなぜいけないか 荒井一博 Ⅲ, 個人の独立性という虚構 ■「関係ない」という価値観 今日の小学生以上の日本人の多くが、「関係ない」という言葉を頻発したり、「関係ない」ことを強く意識して行動したりしているようです。この言葉は、問題となる特定の他者(あるいはそれに関連する事柄)と自分とは無関係であって、自分はその他者から独立しているという主張を含意します。かつては関係ないという言葉を今日のような意味で使う人があまりいませんでした。  これほど明確に新古典派経済学の浸透を象徴する言葉も少ないでしょう。すぐ後で検討するように、同経済学の個人の間には実質的に何の関係もなく、各人が独立していま…
terakaz
11年前

優生学と人間社会

P11) 第2,3章では、ドイツ、北欧の優生学の歴史。「優生学」という言葉でヒトラー、ナチスを思い浮かべがち。しかしナチス以前ワイマール共和国時代に優生政策の素地は徐々に形成されていた。またデンマーク、ではナチスドイツより以前に断種法制定。スウェーデンでも三~五十年代まで優生学的不妊手術が強制されていた。 ワイマール期ドイツと三十年代北欧に共通するのは福祉国家の形成。 P12) 第5章。日本では戦前模索された優生学の学問と政策が本格的に実施されたのは戦後。優生学=ナチスドイツ=軍国主義/全体主義の戦前日本という連想によりはっきり認識されていない。 P23-24) この学会でゴルドンが行った講演…
terakaz
11年前

「脳は何かと言い訳する」 池谷祐二

(P46) 第一次味覚野の反応が、快さ(甘さ)よりも不快さ(苦さ)において強く生じる 私たちは、喜びや幸福感、楽しい、悲しい、苦しい、つらい、怖いなど、多様な感情を持っていますが、その中でも「恐怖感」は動物にとって大切な感情です。 私は毎日のように動物実験でネズミと接していますが、そのなかでも「ネズミは、楽しいとか悲しいとか、どこまで感情を持っているのだろうかと疑問に思う時があります。 仮にネズミが感情を持っていたとしても、人間ほどにははっきりした意識をもっていないような気がしています。 ネズミは言葉を喋ってくれないのでわかりませんが、長年ネズミを見ていて、そんな感じを受けます。 もちろん、カ…
terakaz
11年前