油分の誤解
にきび、それと敏感肌に関してもですが「油分は肌に悪い」という誤解が多くあります。
同時にこれは化粧品に対する誤解でもありますから「オイルフリー」を宣伝する化粧品も多く存在します。
スキンケアの項目は基本的に清潔・保湿・保護となり保湿のケアに油分がないということは、本来考えられないことなのですが。
皮膚には「外から異物が侵入しない」「体内の水分や体液が漏れ出さない」といった基本的な役割があります。
その役割のために、皮膚は表面に角質層というバリアを作ります。
角質層はわずか0.02mmの極めてうすいものです。これは台所にあるラップ程度のものです。
この薄い層の中に、
- 死滅した表皮細胞(角質細胞)
- 脂質(セラミドを主とする)
がレンガとモルタルセメントのように重なり合います。さらに細胞死の際に、
- 分解・生成されたアミノ酸(NMF)が水分を抱え
強度としなやかさを両立します。
角質層の表面には弱酸性の皮脂膜という油膜が多いこれが細菌の増殖を抑制しています。
この状態を作るためには水分だけでなく、2種類の脂質が必要です。
「水」は私たち日本人にとってはさまざまな「良いイメージ」がありますがたとえば保湿といって化粧水だけ使用しても、つけた水分はスグ蒸発しますしこれだけでは「正常な状態」ではありません。
敏感肌に悩む人が「オイルフリーの製品を使用しても良くなりません」とご相談されるのはこのためです。
乾燥すれば皮膚は敏感になりますし、乾燥を抑制できない保湿を行っても何の成果も得ることはありません。
オイルフリーの製品を使用してキレイになれないことは当然と言えます。
ところが
- 「油分は肌に悪い」
- 「化粧品は怖い」
といった前フリがあれば
- 「悪い成分が入ってない製品を使いたい」
- 「怖くない化粧品がいい」
と、考えてしまいますよね。
― 需要が無ければ需要を作る ―
というのが資本主義の骨法ですから「(自称)安全な化粧品」が売れるためには「化粧品に対する恐怖」が必要です。
しかし、実際にお肌をキレイに健康にしていくには脂質は欠かせないものです。この欠乏は皮膚を乾燥させ、トラブルが悪化しやすくなります。
宣伝では教えてくれないお肌の知識が知りたい方はご相談ください。